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日刊 温暖化新聞|温暖化REPORT
クライメート・コンフィデンス・モニター2010
HSBCグループ(2010年10月26日)
87の国と地域に拠点を擁する世界最大の金融グループのひとつ、HSBCグループが2010年に発行した報告書。日本を含む世界15カ国の15,000人を対象に、気候変動に対する意識をオンライン調査した結果をまとめたもの。このレポートにより、「企業は、気候変動対策に対してより多くの資源を投資してほしい」という要望が消費者にあることが明らかになった。
2010年世界の再生可能エネルギーの現状報告書
REN21(2010年7月15日)
21世紀のための再生可能エネルギー政策ネットワーク(REN21)が2010年7月に発行した報告書。世界の再生可能エネルギーの現状をまとめたこの報告書は、毎年更新されており、今回が第5版となる。世界的な経済危機にもかかわらず、成長を続ける再生可能エネルギーの動向を追う。この中で、日本は再生可能エネルギーの発電容量(すべての水力発電を含む)で世界5位に位置づけられており、太陽光発電(系統連結系)では昨年に引き続き3位、太陽熱給湯・冷暖房の既存容量も昨年と変わらず4位であった。
気候競争力指数2010:低炭素経済における国家の進歩 ―政策決定者のための概要
アカウンタビリティ(2010年4月)
北京、ロンドン、ニューヨーク、サンパウロ、ワシントンDCに事務所を置く国際NPO「アカウンタビリティ」は、2010年4月、世界95カ国を対象とした、各国の低炭素経済に向けた取り組み状況や説明責任に関するレポートを発表した。このレポートによると、2009年12月のコペンハーゲン会議(国連気候変動枠組条約締約国会議)以降、対象国のほぼ半数で説明責任が向上し、気候競争力についても32カ国で前進がみられたという。
2050年再考:EUにおける100%再生可能エネルギーのビジョン
欧州再生可能エネルギー評議会(2010年4月20日)
欧州再生可能エネルギー評議会(EREC)は2010年4月、「2050年再考:EUにおける100%再生可能エネルギーのビジョン」と題する報告書を発表した。2050年までに欧州の全エネルギーを再生可能エネルギーで賄うという長期的なビジョンのほか、再生可能エネルギーの成長によって経済・環境・社会面での利益も大きいとの分析が示されている。
気候変動パフォーマンス・インデックス2010
ジャーマン・ウオッチ、気候行動ネットワークヨーロッパ(2009年12月)
ドイツの環境NGO「ジャーマン・ウォッチ」と国際NGO「気候行動ネットワークヨーロッパ」は2009年12月、世界57カ国のCO2排出量や気候変動防止政策を評価・比較した「気候変動パフォーマンス・インデックス」2010年度版を発行した。これによると日本は前回の43位から順位を上げているものの57カ国中35位にとどまり、さらなる取り組みが求められている。なお今回のアップデート版ではブラジル、インド、メキシコなどの新興経済国が先進国にまじって上位にランクされているのが特筆すべき点である。
2010年世界の気候危機インデックス: 最も脆弱な国は? 1990年以降の気象災害とコペンハーゲン会議に求められる対応
ジャーマン・ウォッチ(2009年12月)
2009年12月にドイツの環境NGO「ジャーマン・ウォッチ」が発行した報告書。世界の国々がこれまでに受けてきた気象関連の災害(暴風雨、洪水、熱波など)の影響について、1990年から2008年で最も大きな被害を被った国10カ国を中心に分析したもの。この10カ国はいずれも貧困国であり、GDPあたりの損失額や人口当たりの死者数などの面で途上国は先進国よりも影響を受けやすいことが明らかになった。
グリーン・ニューディールのためのベスト政策とワースト政策スコアカード
世界自然保護基金(WWF)、第三世代環境主義(E3G)
(2009年11月5日)
2009年11月、WWFとE3G(第三世代環境主義)はG20諸国を中心に気候変動政策を分析・評価した報告書を発表した。環境的かつ経済的に効果的な12の「ベスト政策」と、低炭素経済の構築を阻害する「5つのワースト政策」をスコアカードの形でまとめた本報告書では、ドイツの固定価格買取制度などとならび、日本のトップランナー方式もベスト政策として紹介されている。一方で、原子力発電や運輸部門への補助金はワースト政策として挙げられており、こうした政策を変えていくことで排出量の大幅な削減や低炭素経済への促進が望めるとしている。
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト2009年版レポート〜日本を除くアジアに関する報告書〜
ASrIA(2009年9月)
アジア地域で持続可能な社会責任投資活動を振興するASrIAが2009年9月に発行した、日本を除くアジア諸国を対象としたカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)の調査結果をまとめた報告書。これによると、温暖化の影響によるリスクと潜在的なチャンスを認識する企業が増えており、より実質的で広範な排出量と事業データの開示も進んでいるという。また今回の調査では韓国、台湾、インドの回答率が高く、特に韓国からの回答にはデータの質、量ともに目覚しい成長が見られた。
中国のクリーン革命Ⅱ:低炭素未来へのチャンス
ザ・クライメート・グループ(2009年8月)
2009年8月に発行された、英国に本拠を置くNGO「ザ・クライメート・グループ」による報告書。昨年発行された同名レポートの第2弾で、低炭素発展に向けた中国の各産業分野の動向や政策、今後の課題を取り上げている。世界的な経済危機により中国の再生可能エネルギーや低炭素技術の輸出は打撃を受けたものの、政府の支援策などにより国内市場には新たな弾みがついているという。
持続可能な都市のインフラ――ミュンヘン版二酸化炭素のない未来への道――
シーメンスAG(2009年3月11日)
ドイツのヴッパータール気候・環境・エネルギー研究所がシーメンスAGの依頼により行った調査研究。人口130万人を抱えるドイツの大都市ミュンヘンを例に、大規模都市におけるエネルギー分野においての二酸化炭素(CO2)削減方法を検証したもの。大規模な設備投資とパラダイムの変換を行えば、現在の生活水準を制限することなく、欧州連合(EU)が掲げている2050年までの削減目標を大幅に上回る削減を達成できるとしている。
東南アジアでの気候変動の経済学:地域的評価
アジア開発銀行(2009年4月)
2009年4月に発行されたアジア開発銀行(ADB)による報告書。東南アジアの中でも特にインドネシア、シンガポール、タイ、およびベトナムの4カ国に焦点を当てて、気候変動の経済的な影響について調査したレポートで、同地域の気候変動に対する脆弱性を確認するとともに、何も手を打たなかった場合の経済的損失を明らかにしたもの。緩和策や適応策などの取り組みを促す一方で、現在の経済危機も低炭素社会に移行するチャンスだと説いている。
気候変動に対する人口動向の重要性
ポピュレーション・アクション・インターナショナル(2009年4月)
米国のNPO、ポピュレーション・アクション・インターナショナル(PAI)が2009年4月に出した人口動向と気候変動との関係を分析した報告書。世界の人口動向が炭素排出量や気候システムに及ぼす影響を明らかにするほか、スターン・レポートやIPCCの予測を踏まえ、家族計画やリプロダクティブ・ヘルス、女子の教育などへの投資をはじめとする幅広い政策を緊急に進める必要があると述べている。
コーポレート・ガバナンスと気候変動:消費財・技術業界
セリーズ、リスクメトリックス・グループ(2008年12月)
米国の環境保護団体や投資関係団体などの連合体、セリーズ(CERES)が、アパレル、大規模小売、製薬、外食、半導体、技術など11業界から世界のトップ企業63社を対象に、各社における気候変動に関するコーポレート・ガバナンスと戦略的アプローチを検証した報告書。技術、製薬、半導体の3業界が気候変動に関するガバナンスの平均点が最も高く、総合ランキングではIBMがトップ(100点満点中79点)となった。日本企業ではキヤノンが23位に選ばれている。
再生可能エネルギーの技術的ロードマップ:2020年までに20%
欧州再生可能エネルギー評議会(2008年11月14日)
欧州連合(EU)加盟27カ国の首脳は2007年3月、「欧州連合における最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに20%にまで引き上げる」という法的拘束力のある数値目標を承認した。本レポートは、欧州における各再生可能エネルギー部門の現状、数値目標に向け各部門が達成可能な割合、そして2020年に向けた技術的なロードマップをまとめたもの。
気候変動に強い町:東アジア都市のための手引書――気候変動影響に強くなり、災害危機管理を強化するには――
国連国際防災戦略、防災グローバル・ファシリティ、世界銀行(東アジア太平洋局持続可能開発部門)
(2008年6月)
2008年6月、国連国際防災戦略(ISDR)、防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、世界銀行は、東アジア地域の地方自治体が気候変動の影響に強い町づくりと自然災害の危機管理を強化するための手引書を発行した。実践の成功事例を紹介しながら、気候変動影響を回避もしくは最小限にとどめるために、都市がとるべき対策をまとめたレポート。
地球温暖化の代償――今のまま温暖化が進めば、どれだけのつけを払うことになるのか――
天然資源保護評議会(2008年5月)
米国の環境NGO、天然資源保護評議会(NRDC)の研究報告によると、このまま温暖化が進めば2100年には米国では国内総生産(GDP)の3.6%に匹敵する費用が必要になるという。「スターン・レビュー」改訂版に基づき、温暖化によって米国が今後必要とする費用について、より正確で包括的な実態を示したレポート。
コーポレート・ガバナンスと気候変動:金融業界
セリーズ(2008年1月)
米国の環境保護団体や投資関係団体などの連合体、セリーズ(CERES)が世界の大手金融機関40社を対象として気候変動に関するガバナンス状況を調査・分析、比較したレポート。日本の金融機関3社は、総合順位で三菱UFJ(39点)の22位を最高に、三井住友(33点)が24位、みずほ(24点)が30位と「中の下」にランキングされている。
欧州委員会より欧州議会、欧州理事会、欧州経済社会評議会、欧州地域委員会への通達
欧州委員会(2008年1月23日)
欧州委員会が2008年1月に発行した報告書。欧州連合(EU)の掲げる温暖化対策目標(2020年までに温室効果ガスを20%削減、再生可能エネルギーを20%に増加)について、「目標達成は経済的な繁栄につながる」とその意義と必要性を説明し、排出権取引制度の改正や再生可能エネルギーの開拓など、目標達成のための有効な手段として具体的な8つのツールを紹介している。