本文の先頭です。
日刊 温暖化新聞|温暖化REPORT
著者: | Jan Burck, Christoph Bals, Marisa Beck, Elisabeth Ruthlein |
---|---|
発行: | ジャーマン・ウォッチ(Germanwatch)ボン事務所、ベルリン事務所 http://www.germanwatch.org/ |
発行日: | 2007年12月 |
ページ数: | 20ページ |
入手先: | PDFダウンロード |
- ドイツの環境NGO、ジャーマン・ウォッチ(Germanwatch)が発行した「CCPI」という呼称で、国際的に広く知られるレポート。世界56カ国のCO2排出量や気候変動防止政策を評価、比較したものである。
- ジャーマン・ウォッチ(Germanwatch):1991年の設立以来、貿易、環境、南北問題について国内はもとより、ヨーロッパ・国際レベルで活動を展開するドイツの環境NGO。
概要
気候変動パフォーマンス・インデックス(CCPI)は、合計で地球上の90%以上のCO2を排出する世界56カ国を対象に、各国のCO2排出量や気候変動防止政策を評価・比較するものである。
CCPIを作成するねらいは、これまで気候変動防止に積極的に取り組んできておらず、今なお気候問題に顔を背けている国に政治的・社会的な圧力をかけ、気候変動防止対策に拍車をかけることである。2005年モントリオール国連気候変動会議で初めて紹介されてから毎年、国連気候会議で公表されている。
CCPIは3つの面での評価から総合判断を下す。
- 4つの経済部門(エネルギー、運輸、家庭、産業)における一人当たりCO2排出量の動き(最終評価の50%)
- 特別な状況(例えば、ソ連崩壊や産業の停滞などの外部要因)を考慮に入れて評価した一国のエネルギー起源CO2排出量(30%)
- 国の気候変動対策の評価(20%):国内向けの対策(10%)、国際向けの対策(10%)
本レポートでは、上記の3つの評価内訳をグラフ表示し、詳細に説明した上で、さまざまな角度から見た2008年のCCPIを紹介している。
CCPI総合評価では、気候変動対策が最も優れている順に56カ国をランクづけした(表1)。1位はスウェーデン、2位のドイツに続き、日本は42位で、2007年の39位から低下している。米国は55位、最下位はサウジアラビアとなっている。
CO2排出上位10カ国のランキング(表2)では、1位の米国以下、中国、ロシア、日本、インド、ドイツ、カナダ、英国、イタリア、韓国と続く。この10カ国が、地球上に排出されるCO2の60%以上を排出しており、同時にこれらの国々の気候変動防止対策は乏しいと指摘、それゆえに今後における10カ国の持続可能な政策は重要であると述べている。
気候変動防止政策をどの程度実施しているかを5段階評価し、段階ごとに色別で示した世界地図もあり、対策が「優良」か「乏しい」かが一目瞭然にわかる。
優良 | スウェーデン、ドイツ、ベルギー、イギリス、アイスランド、ラトビア、スイス、ハンガリー、ポルトガル、アルゼンチン |
---|---|
平均的 | ノルウェー、デンマーク、フランス、チェコ、スロバキア、リトアニア、ルーマニア、ブルガリア、トルコ、モロッコ、アルジェリア |
乏しい | フィンランド、エストニア、ベラルーシ、ポーランド、オーストリア、イタリア、クロアチア、南アフリカ、イラン、中国、日本 |
大変に乏しい | アイルランド、ルクセンブルク、ウクライナ、ギリシャ、サウジアラビア、ロシア、カザフスタン、大韓民国、オーストラリア、アメリカ合衆国、カナダ、アラスカ |
本レポートは、付録にて計算式も公開。参考資料として、IEA(国際エネルギー機関)、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)、WBGU(ドイツ連邦政府地球気候変動諮問委員会)、スターンレビュー、WMO(世界気象機関)などの資料を挙げている。